令和8年1月1日、改正行政書士法が施行されました。この記事では、行政書士法の改正について解説します。
当事務所は、北海道帯広市の行政書士事務所です。帯広・十勝の事業者様からの、改正行政書士法に関するご相談を受け付けております。
自動車販売店様、登録支援機関様等、ぜひお気軽にご相談ください。
今回の改正のポイントは5つ
今回の行政書士法改正のポイントは、大きく分けて5つです。
- 目的規定が使命規定に
- 職責規定の創設
- 特定行政書士の業務範囲拡大
- 業務の制限規定の趣旨の明確化
- 両罰規定の整備
※参考:日本行政書士会連合会ホームページ(外部リンク)
どれも重要な事柄ではあるのですが、多くの方に注目されているのは、おそらく4番目と5番目、つまり「業務の制限規定の趣旨の明確化」と「両罰規定の整備」なのではないかと思います。
なので、本記事ではその2項目に絞って解説したいと思います。
「業務の制限規定の趣旨の明確化」について
「業務の制限規定」とは
行政書士法における業務の制限規定とは、行政書士法第19条のことをいいます。
改正以前は、
行政書士又は行政書士法人でない者は、業として第一条の二に規定する業務を行うことができない。(但書以下省略)
行政書士法第19条第1項(改正前)より
とされていました。
これが、法改正により、
行政書士又は行政書士法人でない者は、他人の依頼を受けいかなる名目によるかを問わず報酬を得て、業として第一条の三に規定する業務を行うことができない。(但書以下省略)
行政書士法第19条第1項(令和8年1月1日施行)より
に変更されました。
「他人の依頼を受けいかなる名目によるかを問わず報酬を得て」の文言が追加されていることがわかります。
なお、条文中「第一条の二」が「第一条の三」に変わっていますが、これは新しい条文が増えて条文番号が繰り下がったことによるものです。新しい「第一条の三」は、これまでの「第一条の二」と同一の内容となりますので、規制の対象となる業務に変化があったわけではありません。
いったい何が制限されているのか
業務制限規定により禁止されているのは、「業として行政書士法第一条の三に規定する業務を行うこと」です。
「行政書士法第一条の三に規定する業務」とは、「他人の依頼を受け報酬を得て、官公署に提出する書類その他権利義務又は事実証明に関する書類(実地調査に基づく図面類を含む。)を作成すること」です。
わかりやすさ優先で雑に表現するならば「他人からの依頼で、報酬を得て、お役所に提出する申請書などの書類を作成すること」といったところでしょうか。
なお、司法書士や税理士、社労士など、他の士業(「○○士」と呼ばれる職業)の独占業務となる申請書類の作成はここから除かれます。もっとも、それらについては、それぞれ司法書士法、税理士法、社労士法など、別の法律による制限があります。
「官公署に提出する書類」とは、例えば農地転用・建設業・運送業などの許認可に関する申請書などを指します。車庫証明の申請書、自動車の登録申請書などもこれに含まれます。
これらの書類を「他人から依頼を受け」、「報酬を得て」そして「業として」行うと、行政書士法違反となります。
「いかなる名目によるかを問わず報酬を得て」
先ほど申し上げたとおり、今回の行政書士法改正で、行政書士法第19条に「他人の依頼を受けいかなる名目によるかを問わず報酬を得て」の文言が追加されました。
これにより、非行政書士が受け取る報酬の名目が「書類作成料」でなく「コンサル料」など、一見書類作成以外の業務に対する報酬であるかのようなものであっても、そこに書類作成の対価が含まれるのであれば行政書士法の規制の対象であるということが明確化されました。
これについて、一部の方は「法律が変わって、これまでOKだったものがダメになった」と捉えているようです。しかし、実はそうではありません。法改正以前から、名目のいかんを問わず報酬を得て官公署提出書類を作成することは禁じられていました。今回の法改正では「前からそうだったものがより明確に示された」だけに過ぎません。
両罰規定の整備
違反者個人だけでなく、所属する法人まで罰せられる
両罰規定とは、簡単に言うと、法人に所属する従業員等が違反行為を行ったときに、違反した人だけでなく、所属している法人も罰せられる既定のことです。
これまでの行政書士法では両罰規定がありませんでしたので、例えば法人の従業員がその法人の業務に関連して行政書士法違反を犯した場合でも、罰せられるのは違反した従業員だけでした。
しかし、法改正により、これからは、その従業員が所属する法人までもが罰せられることとなりました。
自分の手続を自分でする分には問題ない
行政書士法は「誰かの代わりに書類を作成する」ことについて定めた法律です。
ですので、もちろん、自分自身の手続の書類を作成する場合や、自社の手続を従業員が行う場合は何も問題ありません。
顧客から金銭を受け取り書類作成を行う場合に、行政書士法上の問題が発生します。
行政書士法違反となる例
一例を挙げると、自動車販売店が顧客から依頼を受け、書類作成の対価として「車庫証明申請手数料」を受け取り、警察署に提出する車庫証明申請書を作成することは、行政書士法違反にあたる可能性が極めて高いと言えます。受け取った金銭が「車庫証明申請手数料」ではなく、別の名目で計上されていたとしても行政書士法違反は免れないことが今回の法改正により明確化されました。
「別の名目」についてですが、例えば、車庫証明申請を顧客自身で行う場合と、自動車販売店が書類作成を含めて代行する場合とで顧客が支払う金額に差が出るような場合は、書類作成の対価を受け取っているとみなされる可能性があります。
このように、顧客から何かしらの金銭を受け取って行政手続に関する書類を作成している場合は、行政書士法違反のリスクが高まります。
両罰規定が整備されたことにより、「従業員が勝手にやったこと」では済まされなくなりました。
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